謎の多い奇祭…太陽を突き落とす?「ゲーター祭り」

『ゲーター祭』と聞いて「ああ、あの祭のことだね!」とすぐにわかる人は、相当の三重県マニアか祭好きでしょう。三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台として有名な三重県鳥羽市の離島、神島で元日に行われるこの祭は、県の無形文化財として登録されています。

大晦日の夜、島の男たちが集まり、グミの枝で大きな白い輪(アワ)を作ります。元旦になると、完成したアワを浜に持っていき、長い竹でアワを2メートルの高さに掲げます。アワが高く上がれば上がるほど、その年は豊漁になると言われているそうです。そして、高く上がったアワを、浜辺にたたき落とすのです。

掲げられたアワは、太陽に見立てられています。つまり、高く掲げた太陽を地面に叩き落とすというお祭りなのです。なぜ、太陽を突き落とすのでしょうか? 一説には南北朝時代を起源とする「天に二つの日輪なく、地に二皇あるときは世に災いを招く、若し日輪二つあるときは、神に誓って偽りの日輪は是の如く突き落とす」という言い伝えから…つまり偽の太陽をたたき落とすことで災いを避けようというものだと想像できます。

「ゲーター」という聞きなれない名前は、未だ語源が不明、また祭そのものの由来がわかっていない部分も多いです。新年の大漁祈願と、邪悪を払い平穏無事を祈る意味合いがあると言われていますが、無形文化財に登録されたものの起源は失われて久しい、謎の多い奇祭です。三重県には伊勢神宮があるためか神話やアミニズムと結びついた祭りが多く、ゲーター祭りもその一つでしょう。

毎年元旦におこなわれているゲーター祭。しかし過疎化のために祭を執り行う祭主、準備を行う若者がいないため、平成30年の元旦の実施は中止となっています。現時点では復活の目処は立っていないそうです。

古くから受け継がれていた文化なので、なんとか復活して未来に引き継がれていくことを願います。

※写真はイメージです。

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