滋賀県湖南市、幻の下田ナス

「下田ナス」は滋賀県南部に位置する湖南市下田地区で明治以前から栽培されている伝統的な野菜です。スーパーなどでよく売られている長ナスよりも少し小ぶりで約6センチから8センチほどの卵型です。へたのあたりに白いわっかがあるのが特徴で、色は通常のなすよりも色は少し薄めです。

この下田ナスは皮が薄く果肉はみずみずしくて柔らかく灰汁が少ないので、特にお漬物にするとそのおいしさを存分に味わうことができます。皮が薄いので炒め物に利用すると、旨味が一層増すのでグラタンや、てんぷら、パスタなど様々な料理に使われています。ただ、水分豊富で柔らかな果肉の下田ナスを栽培することはとても難しく、苦労が絶えません。

たっぷりと日光を浴びる為の摘葉や、柔らかな果肉にする為の水分管理が特に難しく、夏の雨の少ない時には乾かないよう、畝の間に水をはる畝間冠水で水分を補っています。肥料切れにも弱く、マメな追肥が必要で、皮も薄いため台風の被害にあうと皮が傷ついていしまうといった苦労があります。

また他のナスの花粉がつかないように専用の畑を作らなければならないなど、伝統野菜ならではの苦労もあります。このように手がかかるので、味がよくても出荷用に栽培する農家はおらず、自家栽培が中心だった下田ナスですが、食べてみたいという消費者の声により、今から約15年ほど前に農家が協力して下田ナスの栽培を開始しました。

現在では甲賀、湖南地域のJAの店、道の駅、ここぴあ、量販店などで販売されています。
また季節限定ですが、おつけもののやまじょうで下田ナスの漬物も売られています。

[写:hageatama@fliker]

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