サケ漁業の記録的な不漁と今後の展望

2016年北海道のサケ漁業は記録的な不漁に見舞われました。ここ30年で最低水準の水揚げ量でした。そのため、価格高騰により水産加工業者や飲食店が大打撃を受けているというニュースが連日放送されていました。

一般的に流通しているサケはシロザケという種類の魚で、河川で生まれた後、海へ下り、オホーツク海、ベーリング海で3~6年プランクトンを餌として成長した後、生まれた河川へ遡上し産卵し、死亡するという生活史をもっています。サケの河川へ戻ってくる年齢は3~6歳と幅がありますが、4歳魚が最も多くみられるそうです。生まれた河川で自然産卵するサケもいますが、安定した資源確保のため、長年にわたって孵化放流事業も行われています。2016年はこの4歳魚の割合が低かったため、記録的な不漁に見舞われたと考えられます。

なぜ、4歳魚の回帰が少なかったのかは、多くの研究者や漁業者の間で議論になっています。孵化放流量は特に少なかったという記録はありません。サケの資源減少は特に海に下った直後に生じると考えられているため、その時期に何かが起きたのか、もしくは索餌を行うオホーツク海やベーリング海で何かが起きたのかは未だわかっていません。 漁獲量が減少しているならば、孵化放流する稚魚の量を増やせばよいのではないかと考える方も多いかと思いますが、そう簡単な問題ではありません。なぜなら、孵化放流量は毎年一定であるにもかかわらず、漁獲量は減少傾向にあるからです。

また、回帰するサケも高齢化と小型化が進んでいるという現状があります。索餌を行うオホーツク海やベーリング海の餌の量に限りがあり、サケの必要とする量を確保できていないのではないか、そのため成熟が遅れ高齢化が進み、十分に餌をとれないため小型化が進んでいるのではないかと言われています。 今後も持続的なサケ漁業を行うために、最適な孵化放流量と海に下る際の減少が最小限となる放流時期を定めていく必要があるのではないかと考えられます。

[写Andrea Pokrzywinski @fliker]

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