クロマグロの代替魚として注目されているスマ

スマという魚をご存知でしょうか。サバ科スマ属に属する魚で、トロのようなきめ細やかな脂の乗りから、クロマグロの代替魚として注目されています。大きな群れを形成せず、小さな群れもしくは単独で回遊しているため、漁獲が難しく、漁獲量が少ないため、幻の高級魚と呼ばれていました。

しかし、地元の漁師の間では、時折釣れるスマは、クロマグロに劣らない味で、非常においしい魚として知られていました。そんなスマに注目した愛媛大学が愛媛県と共同し、スマの養殖技術開発と商品化を進めることとなりました。スマの養殖実績は無かったため、水槽で飼うことができるのか、どれくらいの水温であれば冬を越すことができるのかなど、研究しなければならないことが山積みでした。

研究の結果、黒潮の影響で冬も比較的水温の高い愛南町の海上に生簀を設置すれば、冬を越すことができるということが明らかとなったため、愛南町の海をスマ養殖の中心として試験的な養殖を開始しました。 2016年には、スマの完全養殖に成功しました。完全養殖とは、人工ふ化から育てた親魚から卵をとり、再び人工的にふ化させる養殖方法です。完全養殖は、クロマグロやウナギでも成功が報告されており、天然の卵や幼魚の採取状況に左右されないため、安定した生産、供給を行うことができるという利点があります。

愛媛県は、重さが2.5kg以上、脂質含有率25%以上のスマを「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」という名のブランド魚として商品化しました。2016年1月からは試験販売が開始され、百貨店の店頭に並ぶとあっという間に売り切れてしまうほどの人気でした。 完全養殖が成功したばかりで、安定供給するためにはまだまだ研究を積み重ねることが必要ですが、安定供給することができるようになれば、愛媛県養殖の代表魚であるタイやハマチのように全国のスーパーで購入することができるようになるのではないでしょうか。

[写:puffyjet@fliker]


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