稚鮎の産地が変わり蘇った四万十川上流域のアユ

本流のダムの無い最後の清流と言われる四万十川ですが実際は上流部の家地川という場所に佐賀堰堤が存在しています。高さが基準を満たしていないのでダムではないですが機能はダムと同様で、発電用に取水されています。魚道はあるものの堰堤直下の水量の少なさから遡上する天然アユは目にしません。

堰堤より上流域には稚アユの放流がなされています。瀬と淵が少なくトロ場が長く続く上流の窪川地区では高知県内水面の人口養殖のアユが放流されていましたが、冷水病にかかりやすく、縄張り意識が弱く、いつまでも養殖場のように群れていることから、5月15日のアユ漁解禁以来友釣りではほとんど獲れず、魚券も高いことからここ20年近くは釣り人のいない四万十川上流域として有名でした。

2016年に高知県内水面の養殖場で冷水病が発生しアユが全滅しました。その為2017年は九州産の稚アユを放流しました。2017年も解禁以来釣り人も皆無でしたが、地元の釣り人が竿を出して見ると瀬でアユが入れ掛かりになり、その後2週間ほど他の瀬を色々やってみるとアユが掛かることがわかり話題になりました。見向きもしなかった釣り人は掛かると聞いて四万十川上流域に向かいはじめています。放流鮎を変えるだけで一度は死んだアユの川が蘇るという事実に今後の放流鮎事業に影響があるかもしれません。

[写:kennejima@fliker]

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