高知県土佐清水のペラ焼き

ペラ焼きとは簡単に言えば薄いお好み焼きです。高知県土佐清水が発祥といわれ、今でも提供している有名店があります。

まず小麦粉だけを水で溶いたサラサラ状態の生地を鉄板の上で薄く延ばします。この溶け具合がポイントです。ドロドロでは粘りが強すぎてだめで、水が多すぎると今度は裏返すことができなくなります。次に生地の上にキャベツまたは刻みネギを盛ります。その上に天ぷらの各切りを振りかけます。その上に小麦粉の生地を少なめにかけます。その上に生卵を乗せます。店によってそのまま乗せたり、かき混ぜて乗せます。下の生地に完全に火が通ったら裏返します。そして上から押し付けます。押して薄く延ばすのです。しばらく焼くともう一度裏返します。仕上げにソースをハケで塗ります。このソースは必ずウスターソースです。次に裏返してソースの面を鉄板で焼きます。もう一方の面もハケでソースを塗って上に削り節を振りかけて完成です。店によっては半分に折り込んで出すところもあります。重要なポイントは3つです。生地を薄くのばすこと、具材の種類を少なくすること、ソースを鉄板で焼くことです。

今ではこのスタイルのペラ焼きを出す店は少なくなりました。昭和40年代は土佐清水から流れて高知市などでもお好み焼きとしてこのペラ焼きが出されていました。また神社などの祭りの屋台で売られていたのもこのペラ焼きでした。このペラ焼きは客には決して焼かせず、店の人が客の目の前で焼いていました。理由は生地が薄いため裏返すのが難しいからです。食べると薄い生地に焼いたソースが染み込み普通のお好み焼きでは味わえないものが有ります。
昭和50年代以降は関西風お好み焼きが定着し、今では一部の店でしか見なくなりました。店で食べるなら土佐清水までいくしか方法はありません。

[写:Masahiko Satoh@fliker]

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