川魚を食べる習慣が鯉料理を育んだ

北関東3県や埼玉、その中でもとりわけ、古河市を始めとした県の境界の集まる辺りの地域では、鯉を使った料理が有名です。高級魚なので一般の方が頻繁に食べるようなものではありませんが、お祝い事の席や少し贅沢をしたい時などに食べられることが多く、また、周囲の観光地に訪れた観光客にも人気です。

刺身は勿論、天ぷらにしたり、煮物にしたり、汁物に入れたり、鯉バーグと呼ばれる鯉を用いたハンバーグや、それを用いたハンバーガーにしたりと様々な調理法で食べられています。味としてはフナのような川魚よりも一般的な白身魚のような感じで、脂が甘くて多く、食べ応えがあるのが特徴です。

北関東3県のうち2県は海に面しておらず、また、海に面している茨城県も、県境周辺にもなると海からはかなり遠く道も険しいため、海に面した東部との交流があまり盛んではなく、内陸部であるというのは他2県と変わりません。そのために川魚を食べる習慣が定着したのです。

また、元々栃木、群馬、埼玉の県境が昔の渡良瀬川の流路跡であり、県境周辺に川が多く、昔から新鮮な川魚を扱うことができ、様々な料理が独自に発展していったためと考えられています。鯉に限らず、川魚全般を扱う料理屋も多数存在しており、うなぎやフナなども陸上3県境の名物であり、その中でも鯉は特に古河市などの茨城寄りの土地でよく食べられています。

鯉には鉄分が多く、貧血や二日酔い、脂肪肝の予防などの効果も期待できます。鉄分が不足気味の方や、鯉の味に興味のある方は北関東旅行ついでに召し上がってみてはいかがでしょうか。

[画像:筆者撮影]

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