岡山県のママカリの酢漬け

ママカリは、岡山県の瀬戸内沿岸で獲れる銀肌の魚で、正式名称はサッパです。ママ(ご飯)を借りに行きたくなるほど美味しいことから、ママカリと呼ばれるようになったと言われています。ニシン科の青魚でありながらも、臭みが少なく、淡白な味わいが特長で、岡山の食卓には欠かせない存在として親しまれてきました。

鮮度の良いママカリを美味しく保存し、食べる方法として知られているのが、ママカリの酢漬けです。頭や内臓、うろこを除いて、二枚開きにしたママカリを二杯酢で漬け込んだもので、爽やかな酸味が効いていて、酒の肴やご飯の友にぴったりです。骨ごと食べられることから、カルシウム補給になるとして、栄養学の観点からも評価されています。

ママカリの酢漬けを生かした郷土料理のひとつが、ばら寿司です。ばら寿司は、ママカリのほかに、エビ、イカ、アナゴなどの海産物や、レンコンなどの野菜類も使い、彩り豊かに仕上げた寿司です。岡山のばら寿司を全国区の知名度に高める上で貢献したのが、岡山駅で販売されている駅弁「桃太郎の祭ずし」です。創業二百年の伝統を持つ岡山県の老舗、三好の本店が手掛ける駅弁で、岡山名産の桃の形をした印象的な容器に美しく寿司が盛り付けられています。

[写:atgw@fliker]

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