食べれば食べるほど美味さのわかる フカ鉄干し

高知県でフカといえばサメのことです。水揚げされたサメは塩干業者に買い取られていきます。そして『フカ鉄干し』という製品になります。

原料のサメはアオザメやネズミザメ、シュモクザメ、ホシザメなどが使われます。サメの肉はアンモニア臭が強く、その中でもネズミザメが匂いが少ないと言われています。そのサメを捌いて身だけの細長い短冊にするのですが、その身を何度も水で洗います。この水洗いによってアンモニア臭を取り除くことができます。水が濁るうちは匂いが残っているので、にごりが出なくなるまでもみ洗いをする必要があります。

水洗いをしてアンモニア臭を取り除けば、塩漬けに入ります。塩漬けした後天日などで表面を乾燥させます。乾燥度合が弱いと塩分が薄く柔らかい食感になり、乾燥度合を強めると辛く歯ごたえのある食感になります。

塩漬けの方法ですが昔ながらの方法は元塩と呼ばれる、塩の中に身を漬けこむ方法です。出来上がった製品は洗って乾燥させても表面に塩の粉をふくほど塩分が多く辛く仕上がります。この辛さは酒の肴やお茶漬けの具材にもってこいで、昔から食べている人はこの辛さこそが本物の鉄干しと言います。

一方で減塩の傾向も広がっており、4%~5%くらいの塩度の塩水に付け込む方法が最近では一般的なっています。30分以上からは、自分の好きな辛さに合わせ漬け込み時間を延ばしたりします。更に天日で干す場合は、食べやすい身の硬さに合わせ時間を調整します。この時、塩分が浸透しないまま干してしまうと腐敗の原因になるので、最低30分のつけこみが必要です。

現在高知では土産物店や量販店には品揃えされており、高知発の通販サイトも販売されています。初めて食べたときは辛い魚の切り身という感覚しかないという人が多いですが、食べれば食べるほど美味さのわかる『フカ鉄干し』です。

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