今年も定置網観光が始まる!各地のブランド魚を知ろう

広島県福山市の内海町で今年も定置網観光が始まりました。このイベントは、広島県東部の沼隈半島の先端に位置する内海町田島で、4月中旬から5月末まで開催されます。参加者は島の東部にある箱崎漁港を漁船で出港し、地元の漁師達が島の周辺に配置した定置網を引き揚げのを間近で見学体験するものです。このとき引き揚げられた魚は、港に到着後漁師さん達によって捌かれ、煮付けやお刺身、漁師鍋などを味わうことが出来ます。

また隣町の鞆の浦では、ゴールデンウィークから5月の最終日曜日まで恒例の観光タイ網が開催されます。このタイ網は、当地で江戸時代に行われたタイの縛り網漁を再現したもので、漁師たちが樽太鼓にあわせて唄い踊り、二艘の漁船の間に追い込んだタイを網で揚げるところを、観光客に見物してもらうものです。水揚げされたタイは格安で販売され、氷づめにして直送することが出来ます。毎年5月の最終土曜日は、鞆の浦の沖合にある弁天島で打ち上げ花火があり、その開会式のイベントとして先頭の船に乗った乙姫様がタイ網の船団を従えて踊りを舞います。

広島県東部の福山市と三原市、尾道市、岡山県西部の笠岡市は、以前備後と呼ばれていました。この4市の漁業団体が、昨年「備後の地魚応援団」を設立しました。そしてそれぞれの道の駅などを介して地元で獲れた魚介類を「備後フィッシュ」としてPRしています。ここで「備後フィッシュ」とは、春が旬のマダイ、ウマヅラハギ、メバル、アサリなどの7種、夏が旬のキジハタ(アコウ)、キューセンベラ(ギザミ)、タコ、テンジクダイ(ネブト)など8種、秋が旬のタチウオ、カサゴ(ホゴ)など3種、冬が旬のアナゴ、ガザミ(ワタリガニ)、ヒラメなど7種の合計25種のことです。

瀬戸内海のほぼ中央に位置する備後は、海流の影響を受け難くブリのような大型の青物は回って来ません。このため近年は、盛んにキジハタやメバル、カサゴなどの稚魚の放流が行われ、また藻場や漁礁などを整備してエサとなる稚エビや稚ガニが生息しやすい環境を整えています。このため現在では、四季折々の魚介類が豊富に水揚げされています。また地元の特産物を上手に利用したレモンチヌ(クロダイ)やフォアグラハギ(ウマヅラハギ)などのブランド魚を開発し広く発信しています。

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