
幻の高級魚として知られるクエですが、幻の魚とされている理由は、漁獲量が相当乏しいことが挙げられます。しかし、今年の4月頃、近畿大学水産研究所によれば、このクエの養殖に成功したというのです。
クエが水揚げできる箇所は、和歌山県白浜町や日高町などであり、冬季に出回ります。和歌山においては、1キロにつき、8,000円ないし10,000円程度で取引されるという相当希少価値が高い高級魚のなかの高級魚です。体長は、1メートルを超え、重量は50キロを上回ります。味は、白身でありながら、ゼラチン質をふんだんに含むことにより、脂がのっており、クエ鍋が有名であって、刺し身や唐揚げなどに供されます。クエの成長のスピードが緩やかなために、大きなものほどおいしいとされています。小型のクエは、料理の種別としては、大型のものと区別されているというのです。
クエは、従来養殖化の取り組みは行われており、孵化や飼育に関しては、成功していました。しかし、近代マグロのように商業化するには至らなかったというのです。クエの成長速度が遅かったことが一つの理由とされています。クエは、5年もの期間、3キロから4キロ程度にまで成長させて出荷していくために、相当コストがかかります。
今回の養殖の成否を分けたポイントは、水温にありました。クエは水温が20度を下回れば、餌を食べなくなる傾向があることが発見できたために、和歌山県白浜で水温の低下する時期に奄美大島まで運搬して、そこで成魚に至るまで生育するという方途をとることにより、クエの安定供給に成功しました。今回の養殖成功に至るまで、20年あまりの歳月を要していますが、白浜で年間を通じてクエが食べられるようになりました。
『 年間を通して食べられるようになった!?幻の高級魚クエ へのコメント 1件 』
希少価値の高い高級魚がいつでも食べられるようになるのは嬉しいです。
クエもそうですが、最近都内では「のどぐろ」のお店を良く見かけます。