
近年の魚価の高騰や漁獲量の減少の中で地方の公設市場の大卸しの販売形態が変化を見せています。魚屋の減少と仲卸しの衰退に加え、量販店の産地直送、そして飲食店までもが産地から宅急便を使って買っています。
この現状のなか昔ながらのスタイルで販売しても先は見えないと考えた一部大卸しが売り方を変えています。まずは小分けです。高度成長期は15kgとか30kg入りの大箱だったのが10kg、8kg、5kg、3kg、2kgとケースの入数が年を追うごとに減っています。
また仲卸しや、加工業者に委託して三枚身やウロコ内臓取り魚も販売するようになっています。マグロにに関しては、セリをする一方、傍らでは相対で節で販売しています。1本買っても売り切ることができない買い手のためです。また加工品にいたっては小袋単位や、1パック単位の販売までしています。この販売方法はもともとは仲卸し業者の特権でした。大卸しから買って、仕入れに来るお客のニーズに合わせて販売形態を変えていました。しかし現状は仲卸しが成り立たないくらい仕入れに来るお客が減っています。その為仲卸しも買えない状態になっているのです。
このように地方の公設市場の大卸しは生き残りをかけて、仲卸しや問屋の分野にまで参入してきています。都市部の中央市場とは比べ物にならない地方の公設市場の現状です。今後公設市場の存在価値さえ問われる時代が来ると思われます。市場にも都市部と地方の格差が広がっています。
[写:ZiJing@fliker]