不漁から四万十川のアオノリは復活するのか

四万十川の河口近くの汽水域で採れるれるアオノリは四万十川には豊富にあり、毎年時期になると大量に取れ、河原には広大なスペースで乾燥される風景が圧巻でした。このアオノリも地産外商の一環となり、地元高知市の居酒屋中心に販売されました。ネット通販でも広がりを見せ、高価ながら全国どこでも買える商品となりました。

ところが2015年の12月に台風並みの大雨が降り大増水になり石に付いた多くのアオノリが流されました。収穫時期だっただけにその年の水揚げが激減しました。その年は在庫で調整できましたが、今度は2016年以降のアオノリ生育が非常に悪く不漁が続いています。その為アオノリが定着した飲食店では他県のアオノリを仕入れていたようですが、風味も味も乾燥度合いも違うことから長続きしませんでした。2017年の現状は1トン前後の水揚げでした。これは30年前の30~50トンと比べると天と地ほど差があります。

この現状を踏まえ高知大学教授が調査すると、不漁の原因は温暖化による海水温の上昇で汽水域の水温が高くなったという結果となりました。一方漁師たちは、40年ほど前に行った河口域の湾岸工事が原因で、その後長い年月をかけて河口周辺にあった中洲が消滅し、海水が大量に入りだしたことが原因だと言います。

今後、県は河口付近の復元工事を手掛け、組合は高知大学の指導の下、アオノリの種の植え付けによる不漁からの脱却を図っています。アオノリの復活をかけたこの取り組みを見守っていきたいです。

[ume-y@fliker]

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