上質な京土産として愛されているチリメン山椒

京都の土産には、八ッ橋や蕎麦ぼうろ、京漬物、と趣深い物が多数あります。チリメン山椒は、上質な京土産として愛されている物のひとつです。京都では、魚を生食する習慣があまりなく、醤油で佃煮にして長期保存をする方法が古くから行われてきました。チリメン山椒は、美味しく食材を保存するための知恵として生まれた料理のひとつで、海の幸であるチリメンジャコと、京都の盆地で収穫された山椒の実を組み合わせた香り高い逸品です。

京都を歩いていると、チリメン山椒の看板や暖簾を掲げる店を随所で見かけます。東山に本店をおく「はれま」は、元々は家庭料理であったチリメン山椒を商品として売り出した最初の店と言われています。国産のチリメンジャコのうち、小さくて食べやすく、美しい姿の物を選んで丁寧に仕上げたチリメン山椒は、目上の方への贈答品としても人気があります。

チリメン山椒の作り方や味には、店ごとの個性があります。チリメンジャコをしっかり乾燥させて使っている店もあれば、しっとりと柔らかく仕上げている店もあります。

持ち帰り用のチリメン山椒を販売するだけでなく、飲食スペースを設けている店もみられます。八坂神社の近くに店を構える「やよい」は、本店の奥にカフェがあり、チリメン山椒のパスタなど、若い世代や海外からの観光客にも支持されるアレンジメニューを提供しています。

[Kentaro Ohno@fliker]

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