奥深い魅力を持つ京都の生麩

京料理で使われる食材のひとつである生麩は、もっちりとした独特の食感を持っています。京都には、伝統的な製法で生麩を作る老舗が数多く残っています。生麩の応用の幅は広く、料理のみならず、お菓子にも使われます。餡入りの生麩を香りの良い笹の葉で包んだ麩まんじゅうは、涼やかで上品な美味しさで、お茶菓子として人気です。

長く受け継がれてきた伝統を大切にしながらも、新しい感覚を取り入れた生麩の商品もみられます。元禄二年創業の半兵衛麩では、季節感溢れる花麩を販売しています。春の桜、秋の紅葉といった四季折々の花麩に加えて、七夕やクリスマスには星形の麩が登場し、子供達からも愛される商品となっています。半兵衛麩では、散策で人気の東山エリアに、寛いで過ごせる喫茶を構えています。アンティーク家具の並ぶおしゃれな店内で、麩まんじゅうや生麩入りのおしるこを味わうことができ、これまで生麩に馴染みのなかった若い世代からも注目を集めています。

国内外からの観光客で賑わう錦市場にある麩嘉では、トマトやかぼちゃといった野菜を練り込んだ生麩を取り扱っています。ベーコンやチョコレートと生麩を組み合わせた変わり種の商品もあり、生麩の可能性の幅の広さを感じさせます。

[写:sotamann@fliker]

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