125万人が愛した桜景色とひたむきに支える地道な活動

千鳥ケ淵周辺で毎年開催される「千代田のさくらまつり」は今年も大勢の来場者が訪れました。千代田区によると来場者数は前年より多い125万4千人ということです(前年は約111万9千人)。

例年人々に千鳥ヶ淵緑道愛されている千鳥ヶ淵の桜ですが、実は千代田区道路公園課や多くのボランティアの活動によって支えられています。代表的な保護活動としては、桜の木の下へのシャガやタマリュウの栽培があります。これは人が根や根の周囲の土を踏みつけないように、シャガなどの草花で守る効果があります。また、桜にはコスカシバという害虫が付きやすいのですが、木にフェロモン防除剤を木に巻きつけることで、コスカシバの交尾を阻害して繁殖を防ぎます。

フェロモン防除剤の他にわらのようなものが桜の木に巻かれる場合もあります。これは茎や幹から根が生えてしまう「不定根」の対策で、生えてしまった「不定根」に肥料を直接与えることで、根が伸びて土に達しやすくなります。また、冬になると、桜の生育に不要な枝を切るなどの手入れも行っており、切り口には薬剤を塗って消毒します。

こうした地道な管理によって桜の木は春に美しい花をさかせます。千代田区では桜の景観を守るための「千代田区さくら基金」の募金を行っており、今回の桜祭り中に千鳥ヶ淵緑道でで集めた額は、4,398,816円でした。

桜の寿命は60年と言われています。実は、千鳥ヶ淵の桜の多くはその樹齢に差し掛かってきています。ただ、弘前城の桜の事例のように、十分な保全管理を施せば100年もつ樹もあるとのこと。来年も千鳥ヶ淵の桜を楽しめるよう活動されている多くの方に感謝しつつ、次世代にこの素晴らしい景観を残すことに少しでもご関心のある方は、寄付やボランティア活動等、積極的に参画してみてはいかがでしょうか?

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