戦艦大和の謎が明らかに~潜水調査特別展

年間約100万人の来館者がある大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)では、来週4月26日から11月27日まで、昨年5月に行った潜水調査の成果をもとにした企画展を開催します。潜水調査は1980年、1985年、1999年とこれまで3回実施されていますが、今回の展示の最大の特徴は、鹿児島県枕崎沖200キロメートル、海底350メートルに沈んでいる戦艦大和に対し、無人潜水探査機に搭載した高性能ハイビジョンで撮影を試みたことです。この結果、約50時間の映像と約7000枚の画像の撮影に成功し、艦首部や主砲塔等の鮮明な撮影にも成功したとのことです。

戦艦大和は、当時、アメリカや他国にその情報が漏れることを恐れ、極秘性が徹底されました。建造中はドックを壁や屋根で覆っただけでなく、近隣の家の窓まで塞いだそうですし、進水式の写真を見ると、国の大きな期待を背負った戦艦にしては、実に簡素で少人数で見送られています。また、敗戦時には、ほぼ全ての設計図を、アメリカの手に渡ることを恐れ焼却したため、実は細部の構造など、未解明の部分が多く残されています。今回の潜水調査により、また一歩、戦艦大和の全貌を明らかにすることが期待されます。

大和ミュージアムにへ見学に訪れる方には、解説のボランティアの方のお話を聴くことをお薦めします。残された希少な設計図にまつわる秘話、戦艦に初めてエレベータや冷暖房が導入された等船の内部の詳細、大和の戦果自体は少なかったものの実は新幹線はじめ日本の高度成長期に様々な形で建造による技術が活かされたこと等、戦艦大和についての詳細なエピソードが聴けるだけでなく、「なぜ原爆が広島に落とされたのか?」「オバマ前大統領がハグしたご老人が成し遂げたこと」「大和の引き揚げ賛成派と反対派」など、終戦から現在まで、現地ならではの貴重な話が聴けます。

広島県呉市には、他にも潜水艦の内部を体感できる「てつのくじら館」(海上自衛隊呉史料館)があり、足を伸ばせば坂本龍馬や吉田松陰も立ち寄った歴史的な港町「御手洗」も魅力のスポットです。海の幸はもちろんですが、海上自衛隊の船にちなんだ30種類もの「海自カレー」が楽しめ、カレー好きには一度は訪れて頂きたい街です。また、高級リゾート並みの満足感をリーズナブルな料金で楽しめる宿泊施設もあります。港に立地する「クレイトンベイホテル」や恋が浜にある「県民の浜・輝きの館」等がお薦めです。

ゴールデンウィークにまだ予定がない方は、泊りがけで広島県呉市を訪れてみてはいかがでしょうか?

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