
長崎県は海と山の幸に恵まれた土地柄。さらに古くから南蛮貿易の拠点となり、海外交易の中心地であったことから、海外の影響を受けた独自の食文化が発達しています。そんな長崎独特の食文化はおせち料理でも健在。長崎のお正月には様々な独自の料理が登場しますが、そんな中でも長崎のお正月に欠かせないと言われるのが「紅さしの南蛮漬け」です。
「紅さし」とは魚の一種で、全国的には「ヒメジ」の名前で流通しています。このヒメジはスズキ目の魚で、赤く鮮やかな肌が特徴。全国の各地で食べられている食材ですが、これを好んで食べるのは長崎だけと言われています。というのも、大きくなっても体長15センチほどとそれほど大きくはならず、さらに水分が多いことから、身が締まらないという理由があり、多くの地域では干物や練り物の材料となる魚です。
しかしこのヒメジはヨーロッパでは高級魚の扱いで、ムニエルなどの素材として大人気です。
ヨーロッパ文化の影響を受けている長崎でも「ヒメジ」つまり「紅さし」は赤い肌がおめでたい魚として正月料理に重宝されています。長崎のおせちに登場する紅さしは「南蛮漬け」が定番。紅さしを衣をつけてさっと油で揚げ、唐辛子やネギなどの入った酢に付け込みます。この「南蛮漬け」もそもそもは海外の調理法。魚の種類から調理法まで、いかにも長崎らしい「紅さしの南蛮漬け」は、最近では家庭で作る人も減っているとのことですが、魚屋の店頭などではまだまだ人気。作る人は減っても、長崎のお正月には欠かせない存在です。
『 正月料理に重宝 独自の食文化が発達した長崎の「紅さしの南蛮漬け」 へのコメント 1件 』
ベニサシ、お正月の定番で好物でした。
確かに長崎を出てからは見たことないし、東京出身の夫は知りませんでした。
久々ち食べたいけど、実家がなくなったいまとなっては難しいなぁ。