「ヒモ」に秘密が?「稚貝の味噌汁」

青森が誇るホタテは冬には欠かせない味わいです。青森では刺身やバター焼き、貝焼き味噌など様々な調理法がありますが、中でも人気があるのが「稚貝の味噌汁」。ホテテの稚貝を使った味噌汁は、青森のおふくろの味といえる存在です。

ホタテの違いは青森以外の地域でもごくまれに見かけるものですが、その場合は殻から外され、湯通しやボイルされて販売されていることが多いものです。しかし、青森では貝の付いた状態で販売されていることも少なくありません。これはホタテの稚貝の流通の過程の違いによるものです。

青森の場合、ホタテの養殖はホタテが大きく成長して引き上げますが、その過程で一度、半分の大きさになった段階で取り出し、養殖場を移すことがあります。そのときに間引きされたまだ小さな貝がホタテの稚貝。他の地域に出荷するときには、貝から外し、ボイルして流通ルートに乗りますが、青森で消費されるときには、貝から外さず、貝付きの状態のままで販売されます。

青森ではシジミやアサリに比べて取り扱いやすいということや、出汁が出やすいということもあり、非常に人気。なぜ稚貝のほうが出汁が出やすいかと言うと、それはホタテの貝柱の周囲の、いわゆる「ヒモ」に秘密があります。大きくなった貝では、このヒモの部分に老廃物がたまっていたり、食用には適さない「ウロ」という部分があるため、このヒモはそのまま捨てられることもありますが、まだ未発達の違いの場合、ヒモは柔らかく、ほとんど気になりません。またヒモからはしっかりした濃厚な出汁が取れるため、稚貝は味噌汁の具として人気を集めています。

ホタテの稚貝の味噌汁は冬の青森の代表的なメニューのひとつ。もし冬に青森を訪れたなら、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

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