平成29年の琵琶湖産アユの産卵量について

平成29年はアユの資源量が極端に減少した一年でした。昨年の8月から12月までのアユの産卵量は、ここ数年の中でも非常に多いもので今年は豊漁になると期待されていました。しかし、その後、孵化して大量に存在していなければおかしい仔魚が非常に少なく、当初の見込みは一転しました。仔魚の数は増加することなく経過し、再生産の時期である9月を迎えました。

 親魚の数が非常に少なかったこともあり、産卵量も非常に少ないものとなりました。滋賀県は、11の河川でアユの産卵量の調査をしています。今回公表された調査報告によると、11河川の中で0.1億粒以上の産卵があった河川は、安曇川南流(0.1億粒)、石田川(0.6億粒)、知内川(0.1億粒)、塩津大川(0.1億粒)、姉川(0.8億粒)、犬上川(0.5億粒)、和邇川(0.3億粒)の7河川(2.7億粒)でした。また、安曇川北流、天野川、芹川、愛知川、野洲川では0.0億粒とされましたが、単位数未満の産卵があったことが報告されています。

 滋賀県が平年値として出した値は121.8億粒であり、今年の全体で2.7億粒とは平年の2.2%でしかありません。滋賀県は、対応措置として人工河川での親魚の放流を増やし10トンを放流しています。しかし、これも応急措置でしかなく、原因が分からないことには抜本的な対策が行えないのが現状です。昨年の大量産卵の後、なぜ仔魚が産卵量に見合わない非常に少ない数しか確認できなかったのか、その理由はまだ明らかになっていません。

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