第82話 いらないものに宝あり!?

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、そのエッセンスを、奥様のA子さんはじめ、高校生の娘Y、中学生の息子Sにも伝えています。お金の話は社会を「生きる力」として重要であるにも関わらず、学校ではなかなか教わらないので、家族にとっても新鮮なようです。家族団らんの時間も何かと投資の話になります。

Y:ねーねー。クリスマス・プレゼント、ワンちゃんがいいな!

T:そうだなー。犬は散歩に行かないといけないし、泣き声の問題もあるしなぁ。

S:だったら、ウサギはどうかな?

A子:ウサギ!?それはびっくりね!ウサギって、よく寂しいと死んじゃう、なんて話もあるわよねぇ。あれ、本当なのかしら?

S:違うらしいよ。ペットショップの店員さんに聞いたんだけど、実は1羽でも平気。2羽飼って、相性が悪いと喧嘩ばかりするから、かえって、1羽の方がいいんだって。だから1羽でいいから飼おうよ!

T:でもね、ウサギには、驚くべき習性があるよ。なんと、糞を食べるんだ!

S:僕、知ってるよ。ウサギは2種類の糞をするんだ。1つはよくみるコロコロのもの。でもう1つは柔らかくベチャッとした糞。普通、こっちの柔らかい糞を食べるんだって。

T:よく知っているな!ウサギの主食の草は繊維が多くて消化や栄養吸収が簡単じゃなんいんだ。そこで、吸収できなかった分を盲腸に送る。日本人の盲腸って平均で4~6㎝ほどなんだけど、ウサギって40cmもあるんだ。その盲腸で栄養分を細菌に発酵させて、いったん排出する、この排出された栄養たっぷりの盲腸便を食べてウサギはよりスムーズに栄養分を吸収できるんだ。

S:これを食糞っていうんだって。

Y:食糞って聞くと、あんなかわいいウサギが!って衝撃が大きいわ…

T:でもね、この行動は、深夜から早朝にかけて自分の肛門から直接食べるので、人が見ることは稀なんだよ。

S:人間で考えるといらないものでも、ウサギにとってはとっても大切なものなんだよ。

T:ところで、人は生活する中で必ず不要なものを産出しているね。なんだと思う?

S:いらないものをわざわざ産み出している?

Y:わかった、ゴミじゃない?

T:正解!ゴミは、ウサギの盲腸便のようにもなっているよ。

S:ん?どういうこと?

T:昔からのガラス瓶や厨房機器のような食品系のリサイクルはもちろんだけど、携帯電話端末からは貴金属を回収して再利用できる。住宅や建設分野でも廃棄物からの再利用が進んでいる。それに廃棄物を焼却炉で燃やすときに発生する熱を、発電や温水等に再利用することもできる。

S:要らないと思われるゴミから使えるものがあるってことだね。ウサギの糞に栄養がたくさんあるみたいに。

T:いわゆる産業廃棄物のリサイクルでなく、ある人にとって不要なものがある人にとっては欲しいもの、役に立つもの、さらには大切なものになったりするよね。これをマッチングするビジネスも伸びているぞ。

S:DVDやコミック、ゲームの中古品買取販売がそうだね!

Y:最近だとフリマアプリよね!オシャレな服も安く買えて、売る人も買う人も嬉しいみたい。

A子:ここ数年、ネットオークションを超える市場の勢いがあって、関連企業の上場も見込まれているわよね。

T:フリマアプリもパソコンや家電専門に取り扱ったり、ブランド品の鑑定つきサービスを展開したり、様々登場してきて、それぞれの企業が切磋琢磨して市場がさらに拡大しそうだから、利用してみるのはもちろんだけど、今からどんな会社に投資するとよいか調べると面白いかもね。

Y:ウサギを飼うのもいいけど、そういう企業の株を応援のために買うのもいいわね!

S:ウサギは、ウサギでやっぱり飼いたいな(笑)

(次回12/27に続く)

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