黒潮大蛇行がチリメンジャコの高騰呼んでいます

魚の価格高騰がついにチリメンジャコにまで押し寄せてきました。チリメンジャコといえばイワシの稚魚です。さっと塩茹でして乾燥させないものを釜だしチリメン、1時間ほど乾燥させたものを釜上げチリメン、1日くらい乾燥させたものをチリメン、乾燥が強く大型のものをカエリ、小さいものをカチリ(上乾チリメン)などと呼びます。乾燥が強くなれば、価格は高くなり、乾燥が弱いと価格は安くなります。

さて、チリメンジャコの最大の産地である静岡県が大不漁に見舞われています。原因は黒潮の大蛇行です。黒潮は仮に遠く離れても、日本沿岸に添ってカーブを描きながら流れています。その為車で例えると遠心力の原理で分流が沿岸に接岸します。しかし今回の大蛇行は静岡県の前から離れていき、逆カーブを描いて流れています。またこの原因となりイワシの稚魚が取れない状況が続いています。

静岡県産のチリメンジャコの最大消費地は東京ですが、東京へ送る為に日本全国のチリメンジャコが集められています。価格を抑えた出荷に対しては乾燥の弱い、釜だしチリメンや釜上げチリメンで対応しています。価格も昨年の2倍近い価格です。乾燥の弱いチリメンで大半が出荷されるため、乾燥の強いチリメンジャコはどんどん品薄になり、1キロあたり4000円~5000円という超高値まで跳ね上がっています。

東京送りで高騰した価格のため、地方のチリメンジャコ関係者が潤っているかといえばそうではありません。東京送りの価格以上に、浜値が上り通常価格のころに比べ売り上げは上がっても、利益額は激減しています。需要が供給を上回っている状況でも、チリメン業界はインフレで利益が下がるという逆転状態が続いています。

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