横須賀のソウルフード「のりだんだん」

神奈川県横須賀市と言えば、自衛隊や米海軍基地がある街として知られています。最近では、米軍シェフにレシピを教わったという「ニューヨークチーズケーキ」や、アメリカンサイズのハンバーガー「ネイビーバーガー」、さらには海上自衛隊のレシピを活かした「海軍カレー」などが人気となっていますが、実は横須賀には隠れたご当地グルメが存在します。

それが「のりだんだん」。横須賀市民にひそかに愛されているソウルフードともいえる存在・「のりだんだん」は、海苔とご飯を重ねたお弁当のことで、お弁当箱に白いご飯を敷き詰めて、その上に醤油をくぐらせた海苔を乗せて、さらにその上にご飯を敷きます。いわゆる「のり弁」ですが、「のりだんだん」はここからが違います。ご飯、海苔、ご飯、海苔、と2層以上になっているものが正しい「のりだんだん」。それ以下のものは単なるのり弁で、「のりだんだん」とは明確に区別されています。「のりだんだん」は子どものお弁当に大活躍。横須賀から三浦にかけて、運動会や遠足のお弁当には、この「のりだんだん」が定番です。

なぜこの「のりだんだん」が横須賀のソウルフードとして定着したのか、他の地方とは異なる呼び名になっているのかということに関しては、実はよく分かっていません。ただし、明治時代にはこの「のりだんだん」という呼び名が定着していたようで、それが現在にも受け継がれています。

また三浦半島の中頃にある横須賀市走水は神奈川県でも有名な海苔の養殖地。富士山などの雪解け水が流れ込み、豊富な栄養成分が含まれた海水は海苔の養殖には最適と言われ、以前より件数は減ったものの、現在でも漁師たちの間で養殖が続けられています。そのため、他の地域では非常に高価な海苔も横須賀市民にとっては非常に親しみのある存在。価格も比較的安価で手に入ったことから、運動会や遠足など、子供たちにとってハレの日のイベントをたっぷりの海苔で花を添えてやりたいと、何層にもなったのり弁、「のりだんだん」が誕生したのではないかと言われています。

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横須賀のソウルフード「のりだんだん」 へのコメント 1件 』

  • 投稿者:匿名

    のりだんだんが、横須賀だけとは知らなかった。
    子どもの頃はお弁当もそうだけど、茶碗のなかでもご飯海苔ご飯海苔でのりだんだんになってた。
    なんか懐かしい。
    今日でも作って食べたいなぁ。

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