予約がとれない宿の衝撃的な夕食に挑む【伝説の料理宿・高島旅館への旅】北海道 岩内・寿都編

岩内町の知る人ぞ知る伝説の旅館「いわない高島旅館」。もともと旅行代理店やネットのトラベルエージェンシーとも無縁な旅館でしたが口コミで人気に火がつきました。紅葉で彩られた円山高原を進むと、樹々に囲まれこじんまりとなんとも趣のある佇まいにて隠れ家のような姿が現れます。中に入ると大きな窓からは緑いっぱいのテラス、遠くに岩内の街と日本海が広がり、中心におかれた暖炉と積まれた薪が、旅人の疲れを癒します。木の香りに包まれながら、源泉かけ流しの美人の湯でゆっくり身体を温めお腹を空かし、衝撃的な夕食に挑みました。

 こだわりの食材を用い、必要以上に手をかけない数々の料理で、テーブルがあっという間に埋め尽くされます。ホッキや海老の刺身や自家製のカズノコにも目を奪われますが、なんといってもピチピチと踊り狂うヒラメの刺身や火の粉が舞う網の上で妖し気に踊りはじめるアワビに、目も心も射抜かれます。新鮮という言葉を通り越してもはや生きている?!
高島旅館
綺麗に敷き詰められた氷の上のヒラメの薄造りは弾力があり、えんがわは旨味の中に自然の甘味を感じ大満足!適度にレアで焼けたアワビの柔らかさと、対照的な生のアワビのガツンとした引き締まった食感に驚きます。道産子の美食家たちからエゾアワビがキングオブシーフドと言われる事に納得です。さらに、地元の野菜やカニ、タラ、サーモンとともに、なんと3個目のアワビを楽しむ贅沢なお鍋も登場。お腹が満たされた頃には、身がぎっしり詰まった毛ガニ(夏は、ウニが提供されるとのこと)の出番です。毛ガニの身と味噌を合わせて、地元の日本酒との相性もばっちり!はちきれんばかりのお腹をさすりながら、あつあつのもんけ(メバル)の塩焼きをいただき、最後に旬のイクラをごはんにのせて一気に平らげ、夢の中へ。。。。
高島旅館
 目を覚ますと、夕べの宴は本当に夢だったのではないかと思いながら、寝ぼけた身体を早朝の風が気持ち良い露天でおこし、朝の光を浴びて緑輝く庭を見ながらテーブル席へ。
朝イカ、有精卵のベーコンエッグ、そして根室から旬のサンマ!もともと旅館のあった島牧村で、太陽をたくさん浴びた天日干しのゆめぴりかを、朝からおかわりしてしまいました。ロビーの暖炉の前で珈琲をいただきながら「また来よう!」と決意しました。
高島旅館
冬は噂の「たちかまぼこ」が提供されるとのことですが、「たつかま」「たちかま」と呼ばれるこのかまぼこは、スケソウダラやマダラの白子を使用し、少量の塩とでんぷんを入れて練り、茹で上げられた郷土食であり、鮮度の良いタラでないと出来ないそうです。想像すると楽しみが広がります。

 3年前に、4代目社長に就任された高島将人氏。有馬温泉で修行され、名旅館を引き継いだ若社長。漁師、農家の方々へのリスペクト、生きているものをいただくことへの敬意を実直な経営姿勢に感じます。小樽やニセコのように観光雑誌で見かけることのない岩内町に、多くの旅人を呼び込み、新たな大きなうねりを発動しています。記憶に残る隠れ家「いわない温泉 高島旅館」。訪れてみれば夢が現実となります。

筆者:澤口美穂。カナダへのワーキングホリデー、グアテマラ留学含め、約2年半北米、中米、南米を中心に周遊。帰国後、ヨーロッパ本社の外資系企業日本法人2社で勤務し、アジア、ヨーロッパへ数多く出張。20代からの訪問国数は約30か国以上。平成28年、生活拠点を東京から札幌に移す。様々な国の人々と共に働いてきた経験や自分の想いを形にした新しいビジネスと人生のセカンドステージを構築中。

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いわない温泉 高島旅館 http://www.iwanai-takashima.com/
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