地元で愛される埼玉県行田市の「ゼリーフライ」

「ゼリーフライ」という食べ物をご存じでしょうか。ゼリーフライという名称から勘違いされがちですが、「ゼリーフライ」は、甘いお菓子の「ゼリー」を揚げたフライではありません。ゼリーフライは埼玉県行田市で食べられているご当地グルメです。
リーフライのベースとなっているのはおからとジャガイモ。茹でて潰したジャガイモをおからと混ぜてコロッケのように油で揚げたものが「ゼリーフライ」と呼ばれています。ときにはにんじんなどの野菜を刻んだり、卵をつなぎにすることもありますが、ジャガイモとおからを揚げたものというのが一般的です。

ゼリーフライとコロッケとの違いは衣の有無。コロッケがパン粉をまとわせて油で揚げるのに対して、行田のゼリーフライは素揚げが一般的です。そのため、コロッケのような揚げ物が苦手という人でも、軽食やおやつとして食べることができます。行田市内では割りばしなどに刺して食べやすくしたものをスタンドや屋台などで売られています。ただし、単に「フライ」と言った場合には「行田フライ」という別の食べ物を指すことが多いので注意が必要です。

ゼリーフライはお祭りや駄菓子屋などで提供される、いわば行田市民のソウルフード的な存在ですが、その歴史は古く、明治時代の後半にはすでに販売されていたといわれています。ルーツとなったのは中国の野菜まんじゅう。日露戦争で中国に駐屯していた行田出身の人物が、現地で目にした軽食をアレンジしたものだと言われています。

「ゼリーフライ」という名前の由来には諸説ありますが、一般的にはその形がもとになったと言われています。ゼリーフライは大きな小判型をしていることから「銭フライ」がなまって「ゼリーフライ」と呼ばれるようになったと言われています。意外な歴史と由来を持つゼリーフライ。大人から子どもまで、行田市民に愛される地元のグルメです。

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