今年が最後!?絶滅危機の野草 キンラン、ギンラン

キンラン、ギンランというお花をご存知でしょうか?日本の野生蘭のひとつですが、ランと付いているので、さぞかし華やかなイメージの花を想像されるかもしれません。かつては雑木林の林下や、里山の林下のどこにでも見られた小さな花でした。しかし、今では絶滅危惧種に認定されているほど貴重なランとなってしまいました。

実はこのキンランとギンラン、特定の樹木の根に共生している「菌根菌」から栄養を摂取していると言う特殊な生育形態で、この花だけを採取して育てようとしても、「菌根菌」のある樹木が無ければ育たないのです。そのため、土地開発などでの雑木林が減少し、それと共にキンラン、ギンランも減り続けているのです。

更に、全長が50センチ程度の可愛らしい花を見ると、自宅でも…と思われる方も多く、「菌根菌」のある樹木は持ち帰らず、お花だけ持ち帰るので自宅の庭では育たず、これまた、減少に一役買っており、絶滅の危機に瀕している、と言うわけなのです。

専門家の間では、「今年が最後かもしれない」と、毎年危惧されている方もいらっしゃるぐらいデリケートなキンラン、ギンラン。ただ、まだ各地の植物園や森林公園で見ることができ、運が良ければ近くの雑木林や里山で自生している花が見ることができるかもしれません。

関東では見頃が終わってしまいましたが、福島では先週満開、岩手など北東北では6月初めに見ることができた事例もあります。ちなみに北海道では咲かないそうです。「今年のうちに幻に花に会いたい!」という方は、東北に探しに出かけるのも良いかもしれません。

[写真はキンラン 皇居東御苑にて筆者撮影]

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