築地の守り神も豊洲へ移転!? – 水神社の歴史と未来

「築地のブランドは大切にしていきたい」と小池百合子都知事が、豊洲と築地の両方を活用する事実上の併存提案を、都の市場問題プロジェクトチームから受け取って発言したことにより、移転問題が新たな局面に入った築地。築地を活用する案は、当初は売却する計画だった土地を、都が保有したまま築地のブランド力を生かし、民間への賃借料等で長期的に安定収入を確保するといった内容になっています。

引き続き政治的な議論が注目されますが、歴史的なことに目を向けると、場内外に二つの神社があることをご存知でしょうか?

一つは、有名な『波除神社』。築地場外の勝どき橋近くにあります。そしてもう一つは、築地市場内にある『水神社』。正式名は「魚河岸水神社」と言い、祭神は「弥都波能売命(みつはのめのみこと)」という水の神様です。ここは、正確には、遥拝所(ようはいじょ:遠くから拝む場所)で、神社の本体は実は神田明神の境内にあります。ここでお参りすると神田明神境内にある「水神社」本殿を拝むことができるようになっているのです。

水神社は魚河岸(魚市場)の歴史とともに歩んできた神様で、江戸の初めに建立され、関東大震災により日本橋の魚河岸が壊滅状態になったため、今の築地市場の地に昭和10年に移りました。

水神社は、市場内の小さな神社ですが、今でも市場で働く方々の厚い信仰を集めています。そして、豊洲への移転が検討される中、この神社の移転及びその費用負担について、実は議論になったそうです。今のところは、市場関係者の尽力により水神社も豊洲に移転することに決まっているそうですが、もし、「豊洲も築地も活用」と決まった場合、その行く末が改めて静かな注目を集めるかもしれません。

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)