京都・舞鶴港で魚を楽しむ

京都の日本海側にある港・舞鶴港。漁獲量こそは大規模な港より少ないものの、気軽に魚を楽しめる港だ。この舞鶴で魚と人を結びつけている場所が、「道の駅舞鶴とれとれセンター」だ。かわいらしい名前だが、本当に取れたての魚を楽しむことができる。夜から朝にかけて漁で水揚げされた魚は、九時にはせりにかけられ、十二時にはこの市場に並ぶ。

舞鶴では特に、丹後とり貝、岩かき、トビウオが名産であるが、タイやアジ、エビやイカも市場にはそろっている。12時以降にこのセンターに向かうと、並んでいる魚の中から自分の食べたいものを選び、調理してもらうことができる。お造りにしてもらうなり、塩焼きにしてもらうなり、タレをつけて焼いてもらうなり、無料でオーダーできる。

おじさんの元気なかけ声につられて、ついつい買ってしまうのだが、どれもこれも安いのに最高に美味しい。タイのお造りなど、「本当の魚とはこれほど味わい深く飽きないものなのか!」と感じる絶品だ。また、一家で食べてもちょうど良いくらいの真鯛が1000円で買うことができる。

さらに、舞鶴港では地元の食生活に魚が強くかかわっていることを感じる。昼食時には、財布一つを持った車で乗り付け、おじさんたちと仲良さげに会話しながら思い思いの魚を選ぶ若者たち。美味しそうにイカをほおばっている小さな子供たち。カップルの男性が「俺がおごるわ」と少し格好をつけて彼女に話しているのは、ノドグロだ。

地元の人に交じり、訪れた人々も魚を味わい、幸せそうな顔をしている。我々日本人にとって最高に美味い魚は、どんなに柔らかく上等の肉よりも舌が愛している。この小ぢんまりとした港、舞鶴に訪れるといつも、魚を心から楽しむことができる。何のごまかしもない、魚そのものと、そして目の前の魚に関わった人々を心から素晴らしいと思える場所…それがこの舞鶴港だ。

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)