高温加熱調理で生成される「アクリルアミド」、その危険性とは?

料理法の一つとして欠かせない加熱調理 。食品が程よく焼け始めると、香ばしさが漂い食欲をそそられますよね。このように加熱することで食品の香りや味を引き出し、また加熱には殺菌して食中毒を防ぐ効果もあります。しかし加熱調理にはマイナス面も。食品に含まれる天然成分を化学変化させ、予期しない物質を作り出してしまうこともあります。発がん物質とされ懸念されている「アクリルアミド」もその一つです。

発ガン性を持つとされるアクリルアミド
もともとアクリルアミドは、工業用途としてポリアクリルアミドの原料として製造され、水処理剤、土壌凝固剤などに使用される化学物質でした。ところが2002年、スエーデン食品庁とストックホルム大学により衝撃の事実が発表されました。というのも、人工的に作られていた有害物質アクリルアミドが、食品の高熱加熱によって自然に生成されてしまっていることが明らかになったのです。

アクリルアミドは、アミノ酸の一種であるアスパラギン(アスパラギン酸は別物)と還元糖を高熱調理することでできる物質です。アクリルアミドを大量摂取すると、神経障害を起こすとされています。また動物実験では発ガン性を持つことが分かり、人間にも影響を及ぼすであろうとして、現在農林水産省により、アクリルアミドの摂取に関して注意が呼びかけられています。

揚げ物や炒め物でできやすいアクリルアミド
アクリルアミドはアスパラギンと還元糖を含む穀類やイモ類、野菜などを、120度以上で高温加熱するとできやすくなります。そのため揚げたり焼いたりするフライドポテトやポテトチップス、ビスケット、クッキー、トースト、野菜炒めなどにアクリルアミドが多く含まれやすいのです。農林水産省では、食品事業者に食品中のアクリルアミドを減らすように働きかけをしています。その結果、ポテトチップスを例に挙げると、平成19年に比べ平成25年ではアクリルアミド濃度の低いポテトチップスが増えているとのことです。

家庭でアクリルアミドを減らす方法
アクリルアミドは家庭で料理をする際にも作られます。よって極力、アクリルアミドを減らす調理工夫をすることが大切となります。まずは揚げ物や炒め物をするときには、できるだけ焦がさないようにすること。焦げができるほど、アクリルアミド濃度が上がるそうです。炒め物をするときは火力を弱めてよくかき混ぜながら、焦げを作らないようにすることがポイントです。それから揚げたり焼いたりする代わりに、煮る、蒸す、茹でるのも良いでしょう。煮物や蒸し物のように水を使う調理では、温度が120度以上にならずアクリルアミドができにくいのです。電子レンジ(電子レンジを使うと栄養素が破壊されるって本当なの?)を活用するのも、アクリルアミドを減らすのにおすすめです。

アクリルアミドは料理の準備段階でも減らす工夫ができます。イモや野菜は調理前に水にさらすと、アスパラギンと還元糖が流れでて、アクリルアミドができにくくなります。また冷蔵保存したジャガイモは、そのまま揚げたり炒めたりすると、焦げやすくアクリルアミドができやすくなります。ジャガイモは常温保存するのがおすすめ。冷蔵保存したジャガイモは、1週間ほど常温に戻しておくことで、調理時にアクリルアミドが生成されにくくなるそうです。野菜などの食品を効率よく食べるために加熱調理は欠かせず、時には炒めたり揚げたりすることも必要になります。アクリルアミドを少し摂ったからといって、すぐ問題があるわけではありません。しかし毎日工夫しながら有害物質をできるだけ摂取しないように、気をつけていきたいですね。

writer:Akina

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