北海道では、その寒さから温かい鍋が恋しくなることでしょう。そこで、北海道を代表する鍋料理である石狩鍋をご紹介します。石狩鍋ときいて、まず彷彿とさせるのは鮭や野菜などを味噌によって煮込まれたものであり、酒粕のような香りがすることが特徴です。北海道の鍋料理には十勝鍋があり、豚肉を入れていることが石狩鍋と異なる点です。
石狩鍋では主として鮭がふんだんに盛り込まれているのですが、その鮭は切り身のみならず、骨やアラに至るまで豪快に入れてることによって良い出汁が取れます。また、野菜や豆腐と併せて煮込むのですが、それぞれの家庭で酒粕やバターなどを使用したり、なかには山椒を入れているところもあるようです。
石狩鍋の名称は、石狩川が由来とされており、鮭の名産地として有名です。石狩川の河口あたりに店舗を構えているお店があるのですが、お店で提供された鍋料理が石狩鍋の始まりと言われています。当時は明治13年ということから、石狩鍋の歴史は相当古いと言えるでしょう。
また以前にも、漁師によって鮭をふんだんに盛り込んで鍋のようなものを作っていたことが名残とされているのですが、その店舗で野菜や山椒などを使用したことで、現在の石狩鍋の形となったようです。十勝川でも鮭が大量に捕獲されるために、石狩鍋に似たものが食されているのですが、バターや牛乳などの乳製品を入れても合うのではないでしょうか。
さらに石狩鍋を美味くするためには、使用する鮭に生鮭を選択しましょう。塩鮭よりは生鮭が適しています。豚肉を加えるのであれば豚肉も湯通ししておくとより美味しくなります。また、あらかじめアラを湯通ししておくことで臭みや脂などを除去することができ、中骨や頭部周辺のアラを使用すると良い出汁が取れます。野菜については、キャベツや玉ねぎなどが適しています。
[写: Naotake Murayama@fliker]