ホヤの消費拡大を図る「ほやほや学会」

東日本大震災から6年経ち、昨今、宮城県の特産であるホヤが大量廃棄されるという事態が起きています。ホヤの養殖は、主に宮城県の石巻市や女川町が盛んで、多いときでは年間9000トンの水揚げがありました。

東日本大震災が起きたことによって、その日常は一瞬にして奪われ、ホヤの養殖業も大打撃を受けました。震災の年からすぐに再開された養殖業ですが、ホヤが十分に育つには3~4年を要するため、やっと出荷にこぎつけたのは2015年のことです。しかし、産地で大量廃棄されているというニュースが報道されたのは2016年のことでした。

主な輸出先だった韓国は、福島県の原子力発電所の事故、汚染水問題を理由に放射性物質の検出の有無に関わらず、懸念し、三陸からの全面的輸入禁止を決定しました。放射性物質の検査は行われており、安全性に問題ないというデータはありますが、輸入規制は解除されず、輸出に頼っていたホヤの養殖業は販売先を大量に失い、水揚げされた余剰分のホヤは処分しなければならない状況になりました。

宮城県や地元漁協では、新しい販路拡大を狙い、ホヤの消費拡大キャンペーンに取り組み始めています。日本全国でPRイベントを開催したことで輸送技術の向上もあり、新鮮なホヤが産地でなくても得られるようになりました。しかし、輸出していた頃に比べると国内での消費のみでは、ほとんど消費できていません。

そこで結成された「ほやほや学会」という団体では、ホヤの消費の拡大をミッションに、ホヤ情報やレシピなどをイベントやネットなどで広くPRしています。また、2017年8月には「#ほやラブ」キャンペーンを実施し、さらにホヤファンを獲得すべく奮闘しているといいます。

[写真:筆者撮影]
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)