琵琶湖淀川水系へのチャネルキャットフィッシュの侵入と滋賀県下の外来魚

 瀬田川は琵琶湖から唯一流出する自然河川です。歴史上、交通の要衝として度々登場する瀬田の唐橋が掛る川です。琵琶湖から流出した水は瀬田川洗堰を経て、宇治の方に向かいます。この瀬田川洗堰の下流でチャネルキャットフィッシュの繁殖している恐れがあることが明らかになりました。

チャネルキャットフィッシュは、アメリカ原産のナマズの仲間です。ひれの付け根に鋭いとげを持っており、不用意に触ると怪我をする恐れがあります。また、このとげが原因で漁具を傷めることもしばしばあります。これらの理由から、このチャネルキャットフィッシュが大量発生した霞ヶ浦一帯の漁業従事者からは大変嫌われています。

チャネルキャットフィッシュが琵琶湖周辺で初めて見つかったのは、今回が初めてではありません。また、ティラピアなどの他の外来魚の繁殖の恐れが指摘されたことも過去にはありました。しかし、結局のところ琵琶湖全域で問題となったのはオオクチバスとブルーギルだけでした。今後これら新参の外来魚たちがどのようになるのか、注意深くモニタリングする必要があります。

琵琶湖に流入する河川でも、近年に入り新手の外来魚が発見されています。ある河川では、オヤニラミが発見されました。オヤニラミは本来の生息域であれば希少種として保護されるべき存在です。しかし、滋賀県は本来の生息域から外れており生態系を乱す存在とされています。そのため、まだ実態調査があまり進んでいませんが、今後は駆除などの対応も検討されなければなりません。

滋賀県内で発見された外来魚のほとんどは人為的に持ち込まれたものです。特に増加しているのが鑑賞魚の遺棄に由来すると考えられるものが増えています。安曇川河口沖ではピラニアが捕獲されたことすらありました。

自然環境を保持し生態系を守るためには、一人ひとりが安易に野外に生物を放つことをしてはいけません。新しい世代に対してはこういった事柄をきっちりと教育することが重要です。

[写:U.S. Fish and Wildlife Service Southeast Region@fliker]

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)