「べろべろ」は北陸・石川県のおせち料理に欠かせない

おせち料理といえば地方色が豊かなもの。中でも珍しいのが北陸・石川県のおせち料理に欠かせない一品で、その名も「べろべろ」。まったく料理の名前とも思えないこの一品は石川県のおせちでは非常に人気のある一品です。

「べろべろ」は加賀料理を代表するもので、その正体は溶き卵や砂糖、しょうゆ、みりんなどを溶いた出汁を寒天で固めたもの。お祭りやお正月に欠かせないものとして、石川県だけでなく富山県など、北陸一体で同様の料理が見られます。ちなみにこのべろべろ、富山県では見た目が似ていることから「べっこう」、その他にもいかにもおめでたい料理ということで「えびす」と呼ばれることもあります。

「べろべろ」の人気の秘密は何といっても華やかな見た目。まるで寒天の中に金箔を散らしたような華やかさは、和菓子のようだとお正月の人気を集めています。べろべろが誕生したのは江戸時代、前田家が加賀百万石を築いた頃だと言われています。元々、石川県は南部はきれいな水が豊かで米作に非常に適した土地柄。一方、北部の能登半島は日本海に面しているため、海の幸だけでなく、国内のあちこちから物資が集まって来るという日本でも珍しい恵まれた土地柄でした。また城下町である金沢には、豊かな富を活かして様々な文化が育まれました。

京都の和菓子文化や当時の最先端であった江戸に負けないように華やかな食べ物を作りたいということで、「べろべろ」のように華やかな食べ物が生まれました。
現在でも石川県のおせちに欠かせないべろべろは、華やかさで人気を集める一品です。

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