
テレビやインターネットでアニサキス症がたびたび取り上げられ、スーパーマーケットなど鮮魚取扱店ではアニサキス報道の影響が長引いています。この報道によって、水産販売全般が縮小する中、健闘していた刺身まで売上高が減少しているということです。水産販売はスルメイカやサンマ、秋サケといった大衆魚の不漁や冷凍魚の相場高が影響して、2016年から1年間にわたり前年同月比を下回る状況不が続いています。刺身は簡便化のニーズの高まりにより伸長していたのですが、5月から6月にかけてのアニサキス報道により、生鮮魚のみならず刺身も一転して前年割れの状況が続いています。
一方、鮮魚に代わってウナギのかば焼きや漬け魚などの売れ行きが好調となっています。鮮魚から加熱調理品へのニーズのシフトが要因と考えられます。現在、アニサキス報道は徐々に沈静化に向かいつつありますが、SNSなどで情報が拡散される場合があり、影響はしばらく続きそうです。
アニサキスの食品への混入を防ぐ方法は、ブラックライトをあてて確認するなど、目視確認の徹底といったものにとどまり、抜本的な解決策がない状況となっています。スーパーマーケットなどでは、いったん離れた客を取り戻されるのか懸念されています。
[写:taitiro a.k.a. amamako@fliker]