
「奇跡の野菜」と呼ばれるビートは、日本ではまだあまり知られていない野菜かもしれませんがもしスーパーなどで見かけたら是非購入して欲しい野菜の一つです。ビタミンやミネラルが豊富でデトックス効果もあり、海外ではポピュラーな野菜の一つ。鮮やかな赤紫色が特徴で、味にクセがないので使いやすく食卓に彩りを与えてくれるビート。いったいどんな野菜なのか、その健康効果についてご紹介しましょう。
赤紫色の野菜ビートとは
ビートは地中海沿岸を原産地とする、アカザ科の野菜です。「ビーツ」と呼ばれることもあり、またその鮮やかな赤紫色から「火焔菜(かえんさい)」という別名ももっています。ビートで食されるのは根の部分。根は丸く膨らんでおり、一見カブのようにも見えますが、カブの仲間ではありません。ビートは茹でで食べることが多く、クセのないほのかな甘みがあり、そのままサラダにしたり、保存食として酢漬けにすることも。ロシアではボルシチに欠かせない材料として知られており、また近東などではスープにされることも多いようです。
ビートの天然色素ベタシアニン
ビートの赤紫色は天然色素によるものです。その色からはブルベーリー(ブルーベリーとアントシアニンポリフェノール)やナスの色素であるアントシアニンを想像しますが、ビートの色素はベタシアニンです。ベタシアニンの含有量が少なめのものも存在し、その場合は赤紫色にはならず黄色いビートになります。ビートの天然色素ベタシアニンは体に良い成分として知られ、強い抗酸化作用があり、また危険な毒素を取り除くデトックス効果が期待できます。
これらの作用で肝機能を向上させ、また発がん物質の成長を妨げるため、がん予防にも効果があるといわれています。ミネラル(ミネラルとは)が豊富なビートは、なかでもカリウムを多く含むことから高血圧予防に効果を発揮します。塩分の摂りすぎから高血圧になることがよくありますが、カリウムは塩分の成分であるナトリウムを排出を促す働きがあり、高血圧になるのを抑制する作用があるのです。
ビートは茹でで食べるのがおすすめ
ビートは長野県や茨城県などで栽培されているものの、あまりスーパーなどで見かけることのない野菜です。今のところは野菜の直売所や道の駅などで見つけることができるようです。料理法としては、皮がついたままの状態で茹でた後、皮をむいたものを食べたり料理に使ったりします。刻んでサラダの材料にしたり、鮮やかな色を生かしてスープにするのもよいでしょう。ところでビートを生で食べるのはあまりおすすめできません。生のままだと消化されにくく、また中毒症状を起こす可能性もあるとして、最近ヨーロッパでは注意が呼びかけられているようです。健康のためにもビートは火を通してからいただくようにしましょう。
writer:Akina