鯛を超える美味?千葉名物「ひしこの押し寿司」

「ひしこ」とはカタクチイワシの千葉南部での呼び方で、地域によってはシコイワシ、セグロイワシとも呼ばれています。それほど大きな魚ではなく、皮も弱いため流通には乗らず、スーパーなどに並ぶことはほとんどありませんが、実はこの魚は地元でも美味として知られています。その美味しさを表す言葉に「七回洗えばタイの味」という言葉もあるほど。中でも千葉県南部で特に人気のある食べ方が「ひしこの押し寿司」です。

これはひしこを開き、お酢をベースにしたたれに漬け込み酢飯と合わせた押し寿司にしたもの。この「お酢をベースにしたたれに漬ける」というのは下味を付けるという意味と、お酢の防腐効果で鮮度の落ちやすいひしこを保存するという意味以外にも、ほろほろと崩れやすいひしこの身をしっかりと締めるとともに、取り除きにくい小骨を柔らかくして食べやすくするという意味があります。

ひしこは小さな魚なので、一本の押し寿司を作るためには、10~20尾のひしこが必要になりますが、その分、しっかりとひしこの旨みが楽しめます。押し寿司なので持ち帰りやお弁当としても重宝される「ひしこの押し寿司」。冷めても美味しい、千葉県南部の地域の味覚です。

[写:Brian Gratwicke@fliker]

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