秋が旬の筍「四方竹」

一般的に筍というと春が旬の食べ物ですが、高知県で収穫される四方竹は9月下旬頃から11月にかけてが旬の珍しい筍です。一般的な筍とは見た目が大きく違い、太さはごぼう、長さはアスパラ程度の小さなサイズで、四方竹の名前の通り切り口を見ると四角い形になっています。香りは春が旬の筍より弱く、ほんのり感じる優しい苦味やシャキシャキとした食感が特徴です。

四方竹は味がしみ込みやすいため煮物や炒め物に特に向いていますが、それ以外にも様々な食べ方ができる食材です。煮物にした四方竹に鰹節をまぶした定番の土佐煮、きんぴらやピリ辛に味付けした炒め物、四方竹の穴の中に寿司飯を詰めた田舎寿司、他にもそのまま塩を振って焼くシンプルな焼き四方竹や、天ぷらやマヨネーズで和えたサラダなど幅広い料理に使えます。

四方竹は収穫後すぐにアクが出ることや、皮が固く下処理が大変な上に皮を剥ぐと紫色に変色してしまうことなどから以前は高知県内のみで消費される食材でした。しかし、近年では茹で方などの加工技術の向上により下茹でした状態で全国へ発送できるようになり、インターネット通販で購入することもできるようになりました。取扱店によって異なりますが、1kgが2,000前後で販売されています。

筍という食材の性質上あまり長期間の保存はできませんが、水煮の状態で保存する場合は四方竹を水を入れた容器に入れて冷蔵庫で保存します。時々水を取り替えていればそのまま1週間は保ちますが、長く置くと風味が落ちてしまうのでできるだけ早めに食べる事をおすすめします。

約1ヶ月という短い期間しか味わえない高知の四方竹、県外では料亭などで使用される高級食材ですが、産地に行かずともインターネット通販で手軽に購入できるので春の筍とは違った美味しさをぜひ一度味わってみてください。

[写:Kentin@wikipedia]

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