香川の郷土料理 魚代表 「てっぱい」

香川県は、降水量が全国平均の3分の2しかなく、山から海までの距離が短く、大きな川もないことなどから、昔から水不足に悩まされてきました。讃岐平野は稲作が盛んで、水不足が頻繁に起こったことから、水田に安定的に水を供給するために、県内の各地でため池が作られました。その数が減ったといわれている現在でも大小合わせて1万4千を超える数のため池があるといわれています。

ため池には、数多くの生物が生息しており、農繁期が終わり、農業用水の需要がなくなる秋から冬にかけて、ため池の水を抜き、そこに生息する生物を捕って食べてきました。中でも、寒ブナは淡水魚ではありますが臭みがなくて脂がのっており、おいしくいただけます。
香川県では、フナの切り身と大根などを酢味噌で和えて作る「てっぱい」という料理が郷土料理としてとても有名です。

昔は、地域の寄り合いなどの酒の肴に、男達が地域で採れたフナを使って作る料理で、冬の酒宴には欠かせない料理だったようです。ため池の多い讃岐ならではの料理と言えますが、最近はため池の水を抜いてフナを捕るということがあまりなされていないためか、フナがなかなか手に入らなくなり、フナの「てっぱい」をいただくことが少なくなりました。今では、フナの代わりにコノシロを使った「てっぱい」がよく作られているようです。

[写:torne (where’s my lens cap?)@fliker]

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