よその子と比べても意味はない、と分かっていても、つい「お友達はできるのに、うちの子はなぜきないの」と思ってしまうことはありませんか。比べれば比べるほど子育ては苦しくなります。辛い比較育児から抜け出す方法をお伝えします。
比べるのは仕方がないこと
人間が社会で生きている以上、比べることは仕方がない、社会で生きている以上どうしても比べてしまうのだと私は思います。「みんなちがってみんないい」といいますが、それは違いがあるからこそ言えること。比べることは個性を発見することにもつながるんです。
それに、比べるからこそがんばれる、という側面も。「あいつに負けたくない」というライバルの存在は貴重ですよね。
比べること自体は悪いことではありませんが、残念なのは、比べて劣っていると落ち込んだり、勝っていると喜んだり、一喜一憂したりすること。
そんな心理状態に巻きこまれると、勝ち負けを競い合うことになってしまいます。負けたくないという思いから、自分の子どもの劣っているところ、悪いところばかりが目について「あれもできない」「これもできない」と思ってしまいます。
さらにそれで子どもを叱咤激励したり、決めつけたりすることが、ママ本人にとっても、子どもにとっても良くありません。
本当はどの子もいいところがたくさんあるのに。
わかっていても比べてしまう
そうはいっても…親戚や近所のお友達、保育園の同じクラスの子など、自分の子どもと年齢の近い子を比べて「この子はできるのに、うちの子は…」と焦ったり落ち込んだり…なんてことはありませんか?
私はありました。
ウチの長女は運動神経が親譲りで、走れば転ぶ、頑張ってもビリ、運動会で悪い方で目立つ子でした(私も子どもの頃はそうでした)。なんて鈍いんだろう、よその子はできるのに、Aちゃんなんてあんなに走るのが早い、とよその子、特にAちゃんを見てうらやましがっていました。
でも、ある日Aちゃんのママと話していてはっとしました。
「◎◎ちゃんは絵が上手でうらやましいわ。うちのAなんか落ち着きなくて動き回ってばっかりで…」
なんと、うちの子をうらやましがってるのです。
びっくりして「うちの子運動神経が鈍くてAちゃんがうらやましいと思っていたのよ…」と返しました。
そして「お互い、ないものねだりなのかもね」と笑い合いました。
自分の子どもが持っている物は、あたりまえのように感じてしまいます。あるものに目を向けずに、ないモノをほしいと思ってしまうのは人間だからしょうがないのかも知れません
鉄則は「比べるなら過去の本人と」
比べてしまうのは仕方ない、と理解しながら「それに比べてうちの子は」と考えないようにすればいいんですよね。
そのためには、あえて周囲をできるだけ見ない、自分の子どもに集中する、ということだと思います。
Aちゃんより走るのが遅い、という事実にとらわれていてはAちゃんとの競争から抜け出せません。そうではなく「先月より早く走れるようになっている」と自分の子どもだけに集中して考えれば、比較育児のストレスから抜け出すことができるのではないでしょうか。(文・曽田 照子)