育児と介護の同時進行…もし働くママがダブルケアをすることになったら?

少し前は子育てが一段落してから「そろそろ親の介護か…」というのが、よくあるライフステージの変化でした。それはそれで大変なのですが、最近、もっと大変なパターンが増えてきているそうです。それが子育てと介護が同時進行する「ダブルケア」。もしそうなったら、いったいどうしたらいいのでしょうか。
ダブルケアって何だ?

「ダブルケア」という言葉を初めて聞いた方も多いでしょう。私もこの原稿を書くにあたって知った言葉でした。
ダブルケアとは、子育てと親の介護を同時進行でやっていくこと。想像するだけで大変そうですよね。
晩婚化が進んで高齢出産も増えてきました。私の友人にも45歳で初産という人がいますが、40歳代で子どもを産むと、自分の親は70歳代、ということも珍しくないんですよね。元気なシニアは増えていますが、やはり70歳を過ぎると、いつ介護が必要になるか分かりません。
内閣省の発行物によると少子高齢化が進むことでダブルケアをしている人は増えているそうです。

総務省「就業構造基本調査(平成24年)」をもとに、ダブルケアを行う者の人口を推計しました。「ふだん育児をしている?」と「ふだん介護をしている?」の両方に該当する者を「ダブルケアを行う者」として、特別集計した結果、ダブルケアを行う者の推計人口は、約25万人(女性約17万人、男性約8万人)でした
内閣府「共同参画」2016年6月より引用

ダブルケアの問題点
もしも親が要介護状態になったら…子育てと介護が同時進行になることで、さまざまな問題が出てきます。
働きたくても働けない
ダブルケアになったら、介護と育児を両立するために仕事を辞るケースがほとんど。私の周囲にも「働きながら介護と育児」というママはほとんどいません。
親が遠方に住んでいる場合はなおさら、どうやって時間のやりくりをしたらいいのか。いくら働きたいという気持ちがあっても、ダブルケアの担い手が働くことは、非常に困難です。

サポートが少ない
ダブルケアに特化したサポートは少なく、育児も介護もそれぞれ別途に対応しなければならない、という苦労があります。
やはり女性が仕事を辞めるパターンが多いのですが、親の介護のためにママが会社を辞めたら、「家にいるなら」と保育園を退園せざるを得なくなった、という例も聞きます。

見通しが難しい
大学卒業までの支出の見通しが立つ育児と違い、介護は親が亡くなるまで続きます。資金的にも、メンタル的にも、いつまでも続蹴ることが難しいのがダブルケアです。
長く介護を続けている人が「いつまで続くかが知りたい」と言うのを聞いたことがあります。子どもの教育費の貯金を介護のために切り崩しているそうです。
ダブルケアになる前に対策を

もしも突然ダブルケアをすることになってしまったらどうしたらいいでしょうか。ダブルケア状態ではない今のうちから、できる対策をとっておきましょう。

家族で話し合う
育児にしても、介護にしても「女性の役目」と無意識に思い込んでいる人が少なくありません。でも、どちらも家族全体の問題ですよね。すべてを自分一人では背負いきれません。もしそうなったらどうしたいか、介護される立場の親の気持ちも含めて、できれば家族で話し合っておきましょう。

情報を収集する
育児休業給付、介護休業給付など、公的な制度は最大限に利用しましょう。企業によっては、独自の制度がある企業も少なくありません。自分や夫の会社にどんな制度があるか、しっかり調べておきましょう。

アウトソーシングはあらかじめ試しておく
家事も育児も介護も、シッターさんや代行サービスなど、アウトソーシングが増えてきています。困ったときにいきなり頼むよりも、平常時に何度か利用しておくほうが安心です。

お金の知識を蓄える
介護も育児もお金がかかります。特に親の介護は親の資産でまかなうのが理想ですが、そうも行かない場合も少なくありません。教育資金に手をつける前にできることはないのか、お金について、学んでおきましょう。
まとめ
そのうちではなく、できるだけ早いうちに、ダブルケアになったらどうするのか、考えておきましょう。
あたりまえですが、いずれは誰もが老いていきます。年をとった親にどう接するのか、その姿は将来の子どもと自分との関係にも影響するのだろうと思います。(文・曽田 照子)

externallink関連リンク

復職したとたんに立ちはだかる両立の壁!いつまで続く?どうしたらいい? 働くママは時間がない、自分の時間を作る8の戦略 新学期!保育園・小学校、担任の先生と上手なつきあい方のコツってあるの?
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)