はばをきかせる、お正月の縁起のいい食材はばのり

千葉県の海沿いの地域の一部では、お正月のお雑煮に、はばのり、という海苔を入れて食べる習慣があります。はば海苔は海草の一種で、海から採取して天日で干し、四角く海苔と同じような状態に作られます。

色は濃い緑色と枯れ葉色の中間のような色合いで、味は海苔とは違い、口に入れると、乾燥した厚手のはば海苔がパリパリとくずれると同時に少し強めの海の香りが漂います。噛んでいると歯ごたえがあり、普通の海苔とも昆布とも違う独特の食感です。

お雑煮に入れる時は、鰹だしとお醤油のすまし汁に野菜をいれ、四角いお餅をいれたあと、はば海苔と青のりと鰹節を上からかけて食べます。はば海苔の独特の香りと食感がお醤油味のお雑煮と合わさり、味わい深いおいしいお正月の味になります。

しかし値段は意外と高く、時にはは小さな袋で千円以上する場合もあります。年末以外の時期はスーパーマーケットなどでも見かけず、通年では手に入れづらい品物となっています。ふだんはあまり食べられないせいか、はば海苔を食べると、お正月がきたな、とかえって強く感じられるようです。

お正月のおせち料理には、それぞれ語呂合わせのような縁起がかつがれていますが、はば海苔にもそれがあり、はばが出るように、という意味があるようです。人生や人間にはばが出るようにということなのだと思いますが、そんないわれも思い出しながら食べると、年にいっぺんくらいしか食べられないはば海苔もさらに価値が上がったように思えそうです。

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