キーワードは「好き・得意なこと」と「ゆるいつながり」 地域創生の取り組みからみえたこと

化粧品や健康食品の通信販売を行っている株式会社JIMOSに勤務する村山潤さんは、北部九州豪雨被害地域でボランティア活動をするなど、復興支援を行っており、被災地朝倉での「島らっきょう栽培PJ」支援や、島らっきょうを活用したレシピなどを考案しています。村山さんは被災地でのボランティア活動の際、いまだ従来の生活に戻れるような状況ではない現実を目の当たりにし、これからが復興の本番、長期戦であるということを、身をもって実感したといいます。現在も各地で開催される復興イベントに参加し、SNSで情報を発信するなど、風化させない努力をしています。
村山さんに、復興支援や地域での活動の中で再発見した佐賀の魅力や、地域への思いなどを伺いました。

──佐賀との取り組みを進める中で、再発見した佐賀の魅力は?

「佐賀は自然の恵みに溢れており、今では見なくなった日本の原風景がたくさん残っています。佐賀駅から車で15分も行けば、自然豊かな田園が広がります。忙しくせわしない日常から離れて、ほっとした時間を取り戻せる場所、何もしない贅沢を感じられる土地だと思います。食についても、野菜・肉(佐賀牛)・魚介(牡蛎やいかなど)も圧倒的安価で、また新鮮な食材を楽しめます。

佐賀空港にはLCCも離発着しているので、東京から佐賀で2泊3日、温泉+美味しいもの三昧といった豪華旅行が約30,000円前後で出来ます。また、佐賀にいらした際には、勇気をもっていろんな人に話しかけて欲しいです。佐賀だけでなく、地方の魅力はそこに生きている人たちと直に触れ合えることだと思います。観光地は一度行けば、満足いただけるとおもいます、ですが生活する人とのふれあいは、決して一回では終わりません。たくさん繰り返すことで魅力を増していきます。そんな視点を持って佐賀を含める地方に皆さん是非来て欲しいです。」

──活動の原動力となるものは?

「東京に行けば、ビジネスについて情報もお金も人も集まっているので成功する可能性が高まると思います。ただそれだと、地方の衰退を止めることは出来ません。日本は、これから人口減少など「経済縮小社会」への突入が顕著になり、これまでの経済成長を元にした「幸せの物差し」は通用しなくなります。「大きいことが良いこと」ではなく、「良いこと」を一人一人が考え、模索することになります。「豊かさの意味」を大事に出来る人を増やしていくことが、地方なら出来ると思っています。」

──地域づくりのスキルを学ぶ佐賀県の「リージョンサガ 地域づくり人材育成塾」に参加していらっしゃいますが、地域づくり人材育成には何が大事だと考えますか?

「キーワードは、「好き・得意なこと」と「ゆるいつながり」です。地域を作っていくことは、終わりのない取り組みです。1人1人が強み・好きなことを実践することがとても大事だと思います。苦手なこと・嫌いなことは長続きしません。得意なこと・好きなことだからこそ未来に向かって歩みを止めず続けられます。自分が出来ること、その影響力の大小を気にせず、発揮し続けることが大事だと思います。それを続けていると自然と仲間が増え、お互いをカバーしあうチームが出来ます。自分の故郷、地域を盛り上げたいと動くチームは魅力的です。必然的に、いろんな人が集まってきます。それが新しいコミュニティとなり、その地域に変化をもたらします。またそのコミュニティは、出入り自由の信頼関係を元に成り立っています。会社のような縦のつながりではなく、一人一人が手を取り合うような横のつながり。この「ゆるいつながり」を意識的に作っていくことが大切だと思います。」

村山さんは今後も、八女のジビエの商品開発や唐津産オリーブを使った調味料開発支援、太良町のふるさと納税の支援など、積極的に地域との活動を行っていく予定だといいます。地域創生の取り組みを含め、「どう生きるか?」と真剣に向き合っているという村山さん。「まずは何をなぜやるか、理念・大義をしっかり固め、その先は、行動しトライ&エラーの繰り返し。町づくりは、人づくりともいわれますので、まず自分が実践し、周囲に広げて行きたい。」と話してくれました。

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