秋田、岩手でクマ駆除へ=規則改正、ライフル使用可能に―機動隊員を派遣・警察庁

 クマによる人身被害が相次いでいることを受け、警察庁は6日、国家公安委員会規則を改正し、機動隊がライフル銃で駆除できるようにした。被害の大きい秋田、岩手両県で駆除を行う方針で、同日から両県に応援の機動隊員を派遣して訓練を開始。改正規則が施行される13日から活動を始める予定だ。
 警察はこれまで、住民の安全確保や出没情報の広報などを担ってきたが、ハンターの不足などを受け直接駆除を検討。両県に警察庁の担当者を派遣し、支援の要望を受けたため実施を決めた。
 クマ駆除に警察官の拳銃は有効ではなく、機動隊の銃器対策部隊が保有するライフル銃を使用する。このためライフルなど特殊銃に関する規則を改正し、使用目的として害獣駆除を追加した。
 両県では、4人1組の対処班を各2チーム編成。チームはライフル銃の射撃手2人、指揮官と市町村との調整役で構成し、出没情報に応じて現地に派遣する。駆除対象は市街地に出没したクマに限り、ハンターによる緊急銃猟などが行えない場合に警察官職務執行法に基づき対応することを想定している。
 警察官によるクマ駆除は前例がなく、事前にハンターや研究者からクマの生態や急所を学び、駆除現場の確認や射撃訓練をした上で任務に当たる。ライフル銃を扱える人員は限られるため、射撃手は両県以外の都道府県警からも銃器対策部隊の隊員を特別派遣し、2週間をめどに交代する。派遣期間や地域の拡大は被害状況を見据えて今後検討するという。 
〔写真説明〕クマへの注意喚起ポスター(秋田県の公式サイトより)

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