伝統料理にもかかせない、岡山県の藻貝(モガイ)

瀬戸内に面している岡山県では、貝の種類が多く、モガイ(標準和名サルボウガイ)もそのうちの1つで漁獲量は日本一です。モガイは貝殻も身もアカガイに似ています。

県南の遠浅の海で昔から掘られてきましたが、明治時代からは養殖が始められ、現在は寄島町を中心に養殖されています。流通しているものは養殖ものが圧倒的に多いですが、天然のものも店頭に並び、天然ものは身がふっくらとして色もやや濃いめです。

県内ではむき身にしてどこのスーパーでも売られているため、身近な食材として昔から馴染んでいます。11月から2月ごろにかけてが旬で、この頃には殻付きのモガイが店頭に並ぶこともあります。

この貝は岡山の伝統料理「ばらずし」の上おきとして欠かせません。また、岡山の代表的なお惣菜として「モガイとワケギのぬた」があります。モガイの美味しい時期と県下のワケギの収穫期とが重なることから、その頃になるとどこの家庭でも食卓に上ります。ワケギをゆでて水気を絞り、モガイとともに少し甘めのからし酢みそでふんわりと和えたもので、栄養価も高い一品です。

この他、佃煮、煮物、地域によっては雑煮の具などにも用います。茹で汁は、だし汁として煮物等に使用します。殻付きのものはは焼いたり蒸したりして食します。新しい郷土料理としてはパエリアやチヂミを地元高校生が開発しました。パエリアは殻付きのモガイとタマネギ、ピーマン、トマト、ネギ、ユズなどを使って作り、モガイの茹で汁が味の決め手です。

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