ママとして「モテ期」が終わったあとに残るもの

「ママ見て」
「ママ聞いて」
「ママ、ママ、ママ」
「ねーママ!」
……いくらかわいいわが子でも、このママママ攻撃をエンドレスでやられるとウンザリしてしまうことも。

「トイレくらいゆっくりさせてよ」
「はぁ、早くこの子の手が離れないかしら」
とため息をつくあなたに、ママとしてのモテ期がとっくに終わった筆者が、ママママ攻撃の終わりについてお話したいと思います。

後追い時期からはじまるモテ期地獄

人見知りが始まる10ヶ月頃からはじまった後追い地獄。
どこに行くにも何をするにもストーカーのようについてくる子ども。
後追いが終わっても「ママ見て!」「ママ、ママ」と二言目にはママを呼び出す時期が続きました。

しかも、わが家は2つ違いで3人の子どもたち。
全員がママが必要な年頃には、立っているときは三女を抱っこし、右手と左手に長女&次女。
座っているときは右膝左膝に次女&三女、背中に長女がまとわりつくといった状態。
子供の歩幅に合わせなければいけない、重たい、腰に来る、足がしびれる、うるさい、暑い、よだれがつく……などさんざん状態。

子どもはかわいいんですが、エンドレスでまとわりつかれると疲れます。物理的にも精神的にも「身軽になりたい!」「好きなことを好きなときにしたい」「自由が欲しい」と心の底から思っていましたよ。

あれ?ママより友達がいいの?
さて、そんなママ大好き状態も永遠には続きません。
だんだんゆっくり冷めていきます。

最初の一歩は保育園でした。
あるときお迎えに行くと
「○○ちゃんと遊んでるからまだ帰りたくない」
と言うのです。

朝も
「△△ちゃんと遊んでくるね?」
とサッと私の手を離れていきます。

……なんだろう、大奥というかハーレムで殿の寵愛が別の女に移った、みたいな「私より好きな人ができたのね」的な複雑な気分になりました。
それでも保育園のころは、包み隠さず何でも(そう、それこそ誰に恋しているとか、誰とコンヤクしたとかいう超トップシークレットまで!)話してくれましたし、抱っこしてトントンして添い寝「夜はやっぱりお前じゃなくちゃ」的なラブラブシーンもありました。
浮気はされても本妻は私!という絶対王者状態が続いていたのです。

しかし、小学校に入るとだんだん変わってきます。
放課後や休日は
「お友達と遊んでくるね」
と児童館で時間を過ごすのが一番の楽しみになってきました。

そして、決定的な出来事は3年生の頃。
お友達との手紙のやりとりを
「ないしょ!」
と見せてくれなくなりました。
とうとうナンバーワンの座から転げ落ちたのです。

そこからはもうライクアローリングストーン……転がる石のごとく転落ですよ。
あんなに
「どっか連れてってー!」
とまとわりついてきたのに、小学校高学年になると、親の方がお願いして一緒に出かけてもらうようになりました。

中学生になると
「親と出かけるなんてかっこ悪い」
と言いだしました。

私も確か自分の親に言った記憶がありますから、因果応報というのでしょうか。
数十年ぶりに母に謝ったら「忘れたわ」と言ってましたが。

熱愛のあとに残るものは

そして現在、上の子が大学生、次女と三女が高校生というわが家ですが、子どもはママより友達、ママより部活、ママより彼氏、という健全な青春を送っています。

私はといえば夜のお出かけもフリー。
「夕食適当に食べてね」
なんてラインを送れば問題ナッシングです。
ああ、あの頃夢にまで見た生活を手にしました。
イェーイ! 仕事し放題、遊び放題、パラダイス&フェスティバルな毎日!
かと思えば、そうでもないですよ。

夫と子どもたちはそれぞれの用事で遅くなり、私は自宅にひとり……という時間が増えました。
こうして原稿を書いているからいいんです、いいんですけどね、ふと、もの寂しくなると言うか、ぽっかり静けさに改めて耳を澄ましてしまう瞬間もあります。
不幸ではないし、むしろ幸せなんだけど、例えていえばお祭りのあとの寂しさでしょうか。

とはいえ、いくつになっても親は親だし、子どもは子ども。
相談されることもあるし
「ママ見て」
と持ってくることもある。
モテ期が終わったとしても、親子関係はずーっと続くんですよね。

(文・曽田 照子)

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