拉致被害者家族との面会慎重=トランプ米大統領、北朝鮮を意識か

 【ワシントン時事】27日から日本を訪れるトランプ米大統領が、北朝鮮による日本人拉致事件の被害者家族らとの面会に慎重な姿勢を示していることが24日、分かった。複数の日米政府関係者が明らかにした。トランプ氏は訪日後に韓国を訪れる際に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談したい意向を示しており、拉致問題は「解決済み」と主張する北朝鮮を意識している可能性がある。
 トランプ氏は24日、アジア歴訪に先立ちホワイトハウスで記者団に、正恩氏との会談に意欲を表明。「どうなるか分からないが、私が(韓国に)行くことを彼(正恩氏)に知らせた」と語った。
 トランプ氏はマレーシアを訪れた後に、27~29日の日程で訪日し、高市早苗首相と会談。日本側は拉致被害者家族との面会も働き掛けている。ただ、外交筋によると、トランプ氏は面会を見送る考えを示唆。同筋は「北朝鮮へのメッセージかもしれない」との見方を示した。
 トランプ氏は2019年6月、南北軍事境界線にある板門店で正恩氏と会談した。韓国メディアによると、在韓国連軍司令部がトランプ氏の韓国訪問中、板門店の共同警備区域(JSA)の見学を中止。第1次政権時に米朝交渉に携わった米国のケビン・キム国務省副次官補が駐韓代理大使に任命されるとも報じられている。
 トランプ氏は1期目に訪日した際に被害者家族と面会し、解決への協力を求められたことを受け、正恩氏との会談で拉致問題を提起した経緯がある。高市首相は23日、被害者家族と就任後初めて会い、トランプ氏に協力を求めるとともに、解決に全力を挙げる考えを伝えた。 
〔写真説明〕横田めぐみさんの母早紀江さん(右から2人目)ら拉致被害者家族と面会するトランプ米大統領(左から2人目)=2017年11月、東京都港区の迎賓館(首相官邸のSNSより)

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