
非常に強い台風22号は8日夜、伊豆諸島の南西海上を北上した。気象庁は午後4時50分に八丈島(東京都八丈町)と青ケ島(青ケ島村)に暴風と波浪の特別警報を発表し、同9時10分に大島(大島町)を除く伊豆諸島に拡大した。22号は9日明け方から朝にかけて接近し、一部の住宅が倒壊するような猛烈な風が吹くとみられる。
新たに特別警報が出されたのは、利島(利島村)、新島と式根島(新島村)、神津島(神津島村)、三宅島(三宅村)、御蔵島(御蔵島村)。
同庁の立原秀一予報課長は8日夕方に会見し、「台風の進路となった海域の水温が平年より1~2度高く、想定より発達した。経験したことのないような暴風、高波の恐れがあり、早めに身の安全を確保してほしい」と話した。
台風の北側に前線が延びている影響もあり、伊豆諸島は大雨にも警戒が必要。9日未明から昼前まで線状降水帯が発生する恐れがある。同日午後6時までの24時間雨量は多い所で300ミリと予想される。
22号は8日午後9時、青ケ島の南西約170キロの海上を時速20キロで北東へ進んだ。中心気圧は940ヘクトパスカル、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートル。半径130キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、半径390キロ以内が風速15メートル以上の強風域。
一方、フィリピンから東へ離れた海上では台風23号が8日午後3時に発生した。あまり発達せず、11日に奄美大島付近に進んだ後、13日にかけて西・東日本の南方海上を北東へ進むと予想される。
〔写真説明〕台風22号接近に伴う暴風・波浪特別警報について記者会見する気象庁の立原秀一予報課長=8日午後、東京都港区の同庁