
経済同友会は30日、サプリメント入手を巡り警察の家宅捜索を受けた新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス前会長)から辞任の申し出があり、受理したと発表した。同日開いた理事会では新浪氏の処遇について意見が分かれ、新浪氏が「同友会に分断が起きることは日本にとって大変まずい」と判断したという。後任を選任するまでの間は、岩井睦雄筆頭副代表幹事(日本たばこ産業会長)が代行する。
新浪氏と岩井氏は理事会後、東京都内のホテルで記者会見した。岩井氏によると、理事会では新浪氏の代表幹事継続に賛否両論が噴出。「強制採決すれば同友会全体の分断を招きかねない状況」になった。新浪氏に状況を説明したところ、本人が辞任を申し出たという。
会見で新浪氏は「悔しい気持ち」としつつ、「日本の経済社会を令和にマッチしたものにしなくては。中堅、若手と経験を持った方が一緒になってやっていただくために、今回の判断に至った」と説明。同友会には会員として残り、「やり直していきたい」と語った。また、経済財政諮問会議の民間議員に関しては「辞任しない」と話した。
新浪氏はサントリーホールディングス会長を辞任したほか、同友会代表幹事としての活動を自粛。自身は「法を犯しておらず潔白だ」として判断を同友会に委ねていた。
〔写真説明〕記者会見する経済同友会の新浪剛史代表幹事=30日午後、東京都千代田区
〔写真説明〕記者会見で頭を下げる経済同友会の新浪剛史代表幹事(左)と岩井睦雄筆頭副代表幹事=30日午後、東京都千代田区
〔写真説明〕記者会見する経済同友会の岩井睦雄筆頭副代表幹事(右)と新浪剛史代表幹事=30日午後、東京都千代田区