
【ワシントン時事】トランプ米大統領は29日、イスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで会談し、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦に向け、20項目に上る計画で一致した。トランプ氏はハマス側に計画の受け入れを迫っており、ハマスの対応が焦点となる。
トランプ政権がまとめた計画は、停戦成立後のイスラエル軍の段階的な撤収のほか、ハマスが拘束する人質全員の解放、ガザの暫定統治などについて明記。ガザ停戦を巡る包括的な内容で、アラブ諸国やパレスチナ自治政府から賛同する声が上がっている。
トランプ氏は会談後の共同記者発表で「平和に向けた歴史的な日だ」と強調し、計画に同意したネタニヤフ氏に謝意を表明。合意が成立すれば、72時間以内に人質が解放されると説明し、「計画をハマスが受け入れる時だ」と呼び掛けた。
ネタニヤフ氏は計画を通じて人質解放やハマスの武装解除などを進める意向を明らかにした一方、ハマスが拒否すれば「イスラエルは一国でも任務を遂行する」と述べ、ガザ攻撃を継続する考えを示した。
AFP通信によると、停戦交渉を仲介するカタールとエジプトの高官は29日、ハマス側に20項目の計画を提示。ハマス側は内容を精査し、受け入れを判断する見通しだが、ハマスの武装解除や戦後統治からの排除などを巡って反発する恐れもある。
〔写真説明〕29日、ホワイトハウスで共同記者発表を終え、握手するトランプ米大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(EPA時事)