
【ワシントン、北京時事】米中両政府は15日、スペイン・マドリードでの2日間の閣僚級貿易協議を終えた。中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却を巡る枠組みで合意。19日にトランプ米大統領と習近平中国国家主席が電話会談して最終承認する。
協議にはベセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表、何立峰中国副首相が参加。スイス、英国、スウェーデンでの交渉に続き、4度目の閣僚級協議となった。次回協議は1カ月後をめどに開く。
トランプ氏は15日、SNSで、ティックトックの米事業売却で合意に至ったことを示唆。ベセント氏は協議後、枠組みは米事業の所有権を中国から米国に移すためのものと語った。詳細への言及は避けた。
米国では1月施行の法律で、ティックトック親会社の中国IT大手、字節跳動(バイトダンス)が米事業を売却しなければ、米国内でのサービスを事実上禁止すると規定。買い手候補の選定と中国政府との調整が難航し、売却期限は3度延長された。グリア氏は今月17日の期限を合意のため延長する可能性に触れた。
トランプ氏は米国の企業や投資家との合弁であれば事業継続を認める考えを示していた。ベセント氏は「企業間の取引だが、条件では合意した」と明らかにした。
中国国営新華社通信によると、何氏は「法律とルールに基づき技術の輸出を承認する」と表明。「中国政府は海外にある中国企業の意志を十分に尊重する」とも強調した。米事業売却を事実上容認したとみられる。
〔写真説明〕握手するベセント米財務長官(右)と中国の何立峰副首相=14日、スペイン・マドリード(米財務省提供)(AFP時事)